2017.4.7.
【つぶつぶセラピー開発秘話】 つぶつぶセラピー共同開発者 佐知亨
鎮痛材を開発するに至った経緯を少しお話したいと思います。
(商品化された商品の名称:つぶつぶセラピー)
私は大分県中津市で高校生・中学生を対象に数学の塾をしておりました(塾は昨年より休止中、将来は経済的な理由で塾に行くことのできない子供たちに、ボランティアとして接しようと考えています)。
塾の先生が鎮痛材の開発をなぜ始めたかと言いますと、子どもの頃からの疑問です。
指先の怪我をしたとき、その指の付け根をギュツと握りますと不思議と痛みが止まるのです。このことが子どもの頃からずーっと頭にありまして、1997年にこの現象を解明しようと考え痛みの研究を始めました。研究をしていますと、痛みに苦しんでいる人の多いこと、ドクターショッピングをしている人の多いことを知りました。
そこで、このような方々の為に、この現象を利用した鎮痛材が開発できないかと考えました。
試行錯誤の末、1999年に鎮痛材(つぶつぶセラピーの原型)の開発に成功しました。
開発しました手作りの鎮痛材(毎晩、塾が終わった後手作りしていました)で突き指、膝痛、腰痛、腱鞘炎痛、首の痛み、捻挫の製品を150社程の企業に紹介しました。しかし、地方の塾の先生が開発した鎮痛材など相手にはして頂けませんでした。
そこで原点に戻り、開発した鎮痛材による痛みの緩和に対する科学的根拠を本格的に研究しようと考え、2005年に、‘ヒトの痛み’を研究していました深井教授と出会い、鎮痛材を紹介したところ、鎮痛の生理的機序を容易に推察できるとの事から、共同研究を受け入れて頂きまして、2006年からは毎年深井教授と共に日本看護技術学会で研究発表を行っております。日本疼痛学会でも研究発表しております。
共同研究をしながらも多くの企業に商品化を持ち掛けたのですが、なかなか受け入れてくれる企業は現れませんでした。
2010年の、石川県の株式会社万喜様が商品化に手を挙げて頂きまして、2013年に商品化されました(商品名:つぶつぶセラピー)。
日常にある現象を不思議に思うところに、もっといい物を作ろう思う心の中に研究の芽はあるのだと思うのです。
研究と商品化は別の世界です。しかし諦めずにデータを取り、真摯に向き合って頂ける方を探すことが商品化の第一歩だと思います。
私のような普通の人が商品化にまで持っていくということは、ただただ忍耐あるのみでしたし、家族の支えなしにはできなかったと思います。
これからは早い段階での痛みの緩和と、そのことによる医療費の削減という社会貢献を目指して、私たちの開発した‘つぶつぶセラピー’を社会で認知して頂けるように活動していきたいと考えております。